因幡はかく語りけり
2011
伯母の遺品整理をしました。
お洒落が好きだった伯母さんの箪笥には、実にたくさんの服がありました。
服というものは、人の好みがよく表れる。
可愛い物が好きだった伯母さんの服は、ハート柄とか、やっぱり可愛い物ばかりでした。
たくさんの残された服。
それを一枚一枚確かめていく作業は、辛いものでもあり。
母は、これ妹がよく着てたわ、と話をしては涙目になっているのでした。
伯母と私は、お互いに、
着ない服をあげたり、もらったりしていたので、
今回も着れそうなものを形見分けとしてもらいました。
午後は、伯母が津波の被害にあった薄磯という地域にいってきました。
目の前が海、後ろを山に囲まれたこの地域は、未だ瓦礫の山が広がっていました。
伯母が務めていた会社は跡形もなく、
ただ基礎の形から間取りがかろうじて判る程度でした。
献花後、付近を歩いていると
瓦礫の山を片付ける人々の姿がありました。
あの日から1ヶ月経った今も、何も終わってないんだ、と改めて感じました。
伯母が被害にあった薄磯地域。
写真手前が海側。(海を背にして撮影)
津波によって手前の建物は破壊され、奥に瓦礫の山を築いている。
引き波のせいか、石柱が同じ方向(海側)に倒れている。
船が乗り上げている。
他にも、港から海面をのぞくと沈んだままの車が何台か
水中をゆらゆらと揺れていて鳥肌がたってしまった。
福島の山間部には、ようやく春がきました。
連休中、桜がちょうど見ごろだった。
地震にあっても、津波にあっても春はやってくるのです。
自然は平等なのだな。
今回、被災地の写真をとっていいものか悩みましたが、
写真でしか伝わらない事もあると思い撮影してきました。
が、これは被害の一部です。
カメラを向けるのを憚られるような情景もありました。
福島だけでなく、被災地が早く復興するよう祈ると同時に、
改めて自分で何ができるのか考えていきたいと思います。
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