因幡はかく語りけり
2009
朝、通勤途中に犬を散歩をしている人とすれ違う。
リードをして綺麗な毛並みの犬と飼い主さんの後ろを、少し離れてもう一匹の犬が遠慮がちに付いていく。
最初、もう一匹連れてるのかと思ったが、後ろを歩く犬はリードは付けておらず、毛はぼさぼさ。
病気にかかっているのか、一部毛が抜け落ちて皮膚が露になっていた。
きっとあの犬は迷い犬で。人恋しくて、寂しくて、仲間を連れて散歩をしている人の後を付けていっているのだ。
振り返ると、横断歩道の前で信号待ちしている散歩の人の後ろ姿と、やはり少し後ろで立ち止まっている犬の姿があった。
あの迷い犬は、単なる迷子なのか捨てられたのかはわからない。
しかし、例え捨てられたとしても、犬という生きものは人を慕わずにはいられない生きものなのかもしれない。
あの迷い犬の前途が明るいことを祈るくらいしか私には出来ない。
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