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因幡はかく語りけり

2024

0329
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2014

0311

窓から見えたのは、日の丸の半旗だった。

あの日から三年が経った。
去年はこの日が近づくにつれて気分がどんどん重くなって沈んでいるばかりだったが、今年は割と冷静にこの日を迎えた。

この一年の間に、震災の津波にのまれ亡くなり、静かに完結したと思われていた叔母の物語は新たな展開をみせた。
あの日、叔母を救助したという人が名乗り出て、お線香をあげにきたのだった。

きっかけは、被災者を追悼する新聞の連載で叔母が取り上げられたことだった。
その記事が救助した人の目にとまり、驚いて連絡をよこしたのだという。
助かったと思ってたはずの人との再開は仏壇越しとなった。

救助された時、叔母は瓦礫の下から「助けて!家にばあちゃんがいるから行かなきゃ!」と声をあげて助け出されそうだ。
意識もはっきりしていて避難所(病院?)に向かったので、これは助かると思って、救助者は別の人達を助けるべく別れたそうだ。
お線香をあげながら、こうして当時の様子を語ってくれたという。
この話をきいて、
叔母は最後まで生きるのを諦めなかったし、1人さみしく逝ったわけではなかったんだ、と、どこかほっとした自分がいた。

三年前、私は、
祖母と母より先に死なない。と、誓いをたてた。
ネガティブな誓いかもしれないけど、子や妹達を亡くした祖母と母にこれ以上悲しい思いをさせたくないと思ったからだ。
今もそれは強く思っている。

震災で亡くなられた方々が安らかに眠れますように。
そして、一刻も早く復興が進みますように。
ねがってやみません。




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某機械メーカーに勤める若造です。
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将来の夢は、ピアノが弾ける書斎を持つこと。
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